オメガの代表的なクロノグラフ「スピードマスター」の初代腕時計。

2022年最初の新作となる「スピードマスター キャリバー321 カノープスゴールド」は、オメガの代表的なクロノグラフ「スピードマスター」の初代モデルから着想した腕時計。コレクション誕生65周年を記念した本ウォッチは、随所にヴィンテージ調のディテールが配されている。

ここで僕は、ある種の間抜けのようにヘサライトを搭載したスピードマスター プロフェッショナルが73万7000円という価格に対してスティール製のキャリバー321は少し高すぎるように感じていた。957万円のキャリバー321 カノープスゴールドは、ちょっとどころか、まさにとても高価だが、さまざまな意味でそれがポイントのひとつなのかもしれない。オメガは多くのスピードマスターを幅広い価格帯で製造している。さらにディープなコレクターのために、フラッグシップモデルであるムーンウォッチのこのカノープスゴールドバージョンのようなものを作っているというわけだ。フェラーリやアストンマーティンのようにルーフもウィンドシールドもない限定モデル、キャリバー321 カノープスゴールドは、スピードマスターの世界のほとんどすべてを経験したコレクターのためのモデルだと思う。

ブラックオニキス製のダイアルには、初代モデルを象徴する、ヴィンテージのオメガロゴと楕円形の“O”を採用している。ダイヤルを囲むベゼルにはタキメータースケールが描かれ、数字の斜め上にドットマークが付く初代モデルに見られるドット・オーバー90(DON)、ドット・ダイアゴナル・トゥ70といった2つのディテールをセット。初代モデルのいくつかにデザインされていた、防水性を示す“ナイアードマーク”付きのリューズもポイントだ。

そして、現代のスピードマスターに957万円という価格をつけることの是非を議論することは可能だが(そして、おそらくそうなるだろう)、僕は、オメガがこの作品をプールサイドのラウンジから電話で済ませて作ったとはここでは言えない。このムーンウォッチは、オメガのなかでも選りすぐりの顧客たちに(ディープに)アピールすることは間違いないだろう。適切なムーブメントを搭載し、サイズと素材は腕の上で新しい存在感を示し、オニキスのダイヤルからエナメルの入ったベゼルまで、ディテールは予想より一段高いレベルにある。

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